本屋業suiranのこと
体が欲しがる栄養分
まるで不審者のようだと思う。
ひとりで本屋へ行くと店内を何往復もする。棚の前を後ろ向きに進んでみたり、なぜか監視カメラの位置まで気になり、天井を見つめてキョロキョロする。(職業柄。もちろん万引きはしません)でもそういった一連の動作がないと、気持ちよく、そのとき本当に欲しい本にたどり着かない。
すでに欲しい本が決まっているときは棚に向かって一直線だが、そうではないとき、何か読みたいけど何読もう、そんなときは決まって不審な動きを披露する。

きのうも何か新しい本が欲しいと思って出かけた。
雑誌から文芸の棚へ、エッセイや文芸評論の棚、海外文学の棚を眺めて、新聞の書評欄で紹介された本。そこから写真集や美術の本に流れていき、ふだんは見ないビジネスの棚もはさんだ。そうして、ときどき掘り出し本が見つかる自然科学の本のところへ。そして最後に文庫とコミック。実際はこれらの棚を行きつ戻りつ眺め回す。

最近は広告のコピーに関する本が気になっていた。言葉が気になる時期のようだ。さまざまコピー本をぱらぱらと読んでみるも、これだ!というものはなかった。
それでも本屋から手ぶらで帰るのはどうにもさびしいので、もう一回り。

『広告』が目に留まった。
白シャツの小脇に抱えていたら色移りしそうな表紙に惹き込まれて手に取ると、白い文字がエンボス加工で浮き出ている。やけに気合いが入ってるな、と中も覗くと、紙媒体の分野を越えた気になる人(もっと言えば好きな人)の記事が目白押しだった。
1時間半店内をあやしく行き来して、今欲しかった一冊に巡り会えた。

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よくよく調べてみたら、今回の『広告』はこれまでのテーマを刷新したリニューアル創刊号だった。気合いの入りっぷりにも納得である。

毎週買う雑誌の棚からレジへ、それだけではさびしい。本屋へ行ったら、ぜひ、もっともっと色んな棚をご覧いただきたい。不足している栄養分を補給してくれる本がきっと待っています。


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お客様より。お庭に咲いたそうです。もう春の香りがしました。


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入荷しました。

名も知らぬ遠き島より
役に立たない日々(単行本)
ロマンティックに生きようと決めた理由
クマのプーさん スクラップ・ブック
部屋にて
帰ってから、お腹がすいてもいいように思ったのだ。(単行本)
夢の日だまり
沖で待つ(単行本)
by suiran-books | 2015-01-20 13:42 | 本のこと | Comments(2)
Commented by クロサワ at 2015-01-27 00:01 x
こんばんは。
土屋さんのおっしゃること、とてもよくわかります。私も、食事よりも睡眠よりも猛烈に「本が・・・!本が読みたい・・・!」となることがよくあります。
しかも今思えば金銭的余裕もなく時間も限られていた中高生時代の方が、読書飢餓に陥って本屋さんを散々うろうろしている中で運命の出会いをしたような気がして、あの頃の自分に反省させられました。欲しかったら買っちゃうなんて、贅沢な怠慢でしたと。でも大人になってしまった私は、また欲しい本と出会えるのではないかと、出会ったらぜひお家に連れて帰らねばと思わずにはいられないので、ぜひ一時休業前に天華堂さん2階にお邪魔させていただきます。
Commented by suiran-books at 2015-01-27 09:20
クロサワさん、こんにちは。最近は読書欲(と所有欲)に歯止めがかからず、散財しています。読むことがまったく追いつきませんが、読みたい本が身近にあるってことが大切だと思っているので、まぁこれはこれでよしとしています。(いいわけ)
お時間あればぜひお越しください。おかげさまで、ミニほうきは我が机上で大活躍中です!
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