本屋業suiranのこと
#002 アッジェのパリ
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ウジェーヌ・アジェは1857年、フランスに生まれました。
船員として働いたり、俳優を志したり、風景画を描いたりと、職を転々とし、1890年代から写真を撮り始めました。

1890年代後半にパリに移り、1899年からモンパルナスのカンパーニュ・プルミエール街17番地乙のアパートで暮らし始めます。アパートのドアには「芸術家のための資料(Documents pour Artistes)」という小さな看板を掲げていました。つまり、アジェは自身の芸術表現としての写真ではなく、芸術家が作品づくりをするときに必要となる、建物や風景、人々の生活の写真を撮っていたのです。

アジェは毎朝夜明けに起き、10キロを超える六切の暗箱をかついでパリの街に出かけました。三脚と乾板を使い、F11ほどの暗いレンズを絞り込み、朝の光が行き届いたパリの風景をひたすら撮りためたのです。その姿は異様で、はじめのうちは住民から怪しまれていたようです。

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彼の写真を購入したのは、当時の画家、舞台監督、建築家、看板屋、彫刻家、イラストレーターなどでした。中には、藤田嗣治やユトリロもいたそうです。多くは図書館や博物館が買い上げ、現在も大切に保存されています。

彼は亡くなるまでパリの日常を撮り続け、8000枚ほどの写真を残しました。
後年、木村伊兵衛が自身の写真集でアジェを絶賛しています。

パリでねらったのは、庶民を撮ることですよね。だから、シャンゼリゼーやオペラ通りなどは通りいっぺんという感じで、宿屋の近くの汚ねえところばかり歩いていました。メニールモンタンとかサン・ドニ辺ですね。パリでは、カルチエ・ブレッソンとかブラッサイとかロベール・ドアノーとかの写真家に会いましたけど、このドアノーというのはもっぱら庶民をねらって撮ってましたね。要するにアッジェと同じふうなことをやってる。アッジェてのは、ありゃあもう名人ですよ。何であんないい写真をいっぱい撮ったのかわかりませんよ。不思議な人です。それで、アッジェとドアノーに先手を越されたような気もして口惜しいわけですよ。(写真集『パリ』より)

この「アッジェのパリ」には商店の外観や街並、ときどき人物が入った写真130点ほどが収められています。どの写真も銅をくすませたような深く独特な色合い。古き良き日常のパリを散策できます。

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箱に開きグセがついています。

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箱の表裏は全体的にスレがあります。

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本体の状態は非常に良いです。

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布張りの表紙に金色の箔押し。ビニールのカバーがかかっています。

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販売当時のスリップが挟まっています。

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この本はあるお宅で買い取りました。
あくまで想像ですが、おそらくこの本はほとんど開かれることがなかったと思います。持ち主は若い頃から世界各地を旅行されていた方で、大の本好きです。それを知った友人が出版社から本を取り寄せ、彼女に譲ったのではないか、そう思っています(もしくは出版社の知人からもらった)。書店で本を販売する時は商品管理のため必ずスリップを抜きます。今ではPOSレジというものがあり、バーコードを読み取るだけで在庫管理ができますが、当時はこのスリップが管理の要でした。そのため、スリップが入った状態というのは出版社から直接手に入れた可能性が高いです。
また、このお宅から買い取った本にはすべて手作りの蔵書印が押してありましたが、この本だけにはありませんでした。
きっとどこかで静かに眠っていたんだと思います。

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アッジェのパリ
編者:朝日新聞社
出版社:朝日新聞社
サイズ:225mm×318mm(箱の外寸)
ページ:184ページ(うち写真は168ページ)
他に写真現像家ピエール・ガスマンと写真家北井一夫のコラムが載っています。
出版年:1979年発行
商品番号:002
価格:sold

購入希望の方はメールにてお問い合わせください。
tutiya0606[at]gmail.com
([at]を@に変えてください)
by suiran-books | 2013-11-21 09:00 | 古本の通信販売
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