本屋業suiranのこと
カテゴリ:あさっての方向( 74 )
本の記録をつける

e0200305_23090354.jpg


続かないが、「本の記録をつけたい」と毎年この時期には思っている。年間どれぐらい本を買って、読んでいるのか。いつも気になる。だから今年こそは本の記録アプリを使って一年間続けてみようと思う。あくまでも自分のために購入した本、読んだ本の記録で、仕入れは除く。

今年の抱負は、記録のための記録にならないように、素直に本を買って、読んで、記録をつけること。あと、運動すること。


by suiran-books | 2017-01-08 23:15 | あさっての方向 | Comments(0)
ご報告

suiranの活動の基盤になる「生活」に大きな変化がありました。

これまでにも力を貸してもらっていたカメラマンの上原ミワさんと結婚しました。

suiranの活動はひととひとのご縁や関係できょうまでやってくることができました。

生涯の大切なパートナーができたこともこの場をもってご報告させていただきます。

いつか、本と写真、ふたりだからこそできることを実現したいねと話しています。

これからも夫婦共々よろしくお願いします。


suiran 土屋裕一


e0200305_19105053.jpg


by suiran-books | 2016-12-23 09:00 | あさっての方向 | Comments(0)
宮沢賢治絵本原画展「雨ニモマケズ」開催中
 
e0200305_10322515.jpg


勤務先のフリッツ・アートセンターで宮沢賢治の絵本原画展を開催しています。

今回の作品は賢治の作品中でもいちばん聞き馴染みのある『雨ニモマケズ』です。
絵を描いたのは世界を代表する染色工芸家の柚木沙弥郎さんです。なんと御歳94歳!精力的にご活動されています。

雨ニモマケズ、から始まるその一節は、賢治の「祈り」だったと言われています。年月を経た今でも色あせることなく、すーっとからだに染み込んでくるのは、作品ではなく「祈り」だったからなのかもしれません。

柚木さんの描いた色彩豊かな『雨ニモマケズ』は、自由で、明るく、前向きになれます。



宮沢賢治絵本原画展
『雨ニモマケズ』
作:宮沢賢治
絵:柚木沙弥郎

会期:2016年11月19日(土) - 2017年1月9日(月・祝)
開館:11時 - 20時(月曜19時、金曜21時まで)
休館:火曜
会場:フリッツ・アートセンター 前橋市敷島町240-28
 
by suiran-books | 2016-11-28 10:39 | あさっての方向 | Comments(0)
2016年の事始め
今年も一週間が経って、やっといつものリズムに戻ってきました。人も、街も、仕事も、だんだん2016年が馴染んできたように感じます。


e0200305_9394529.jpg

お世話になっている天華堂書店さんにも新年初めての立ち寄り。「ちょっと大きいのよ」と青いエプロンを付けたいつものスタッフさんがいつもの笑顔で元気をくれました。


e0200305_9394993.jpg

今年の読み始めを何にしようか。この辺りから始めてみます。
by suiran-books | 2016-01-09 09:38 | あさっての方向 | Comments(0)
本を売ることに必死になること。
suiranの活動をする一方、全国展開している書店から個人経営の書店に転職をして一ヶ月、新本(古本と区別して)を売ることの考え方が大きく変わってきた。以前の職場では、基本的に、店の売れ行きに合わせて問屋から本が送られてきて、時間内に店頭に並べる日々。新刊本の取り扱いや出版社との主なやりとりは、本部主導で行われていた。店の運営は店長に任せ、自分はプログラミングされたマシーンのごとく品出しやレジ打ちをし、何かを思考することはほとんどなかった。でも、個人経営の書店ではそのすべてを自分でやる必要がある。おかげで相手がよく見えるようになった。どんな文字を書く人が、どんな声で、どんな顔で、著者を含む作り手と書店をつないでいるのかがわかる。こちらが想いを寄せて交渉し、互いに納得できれば、新本を委託していただき、売る。書店で働き始めて6年目、ようやく商売として当たり前のことをやり始めた気がしている。インターネットでも、もしかすると近所のコンビニでも買える本を、わざわざ足を運んで買っていただくための店づくり。本が売れればうれしいし、それを出版社のあの人に伝えられればまたうれしい。そのために必死になって結果を出していかなきゃいけない。これがきっと“やりがい”なんだと思う。

情報を発信する場として、勤め先の新しいwebができました。ぜひご覧ください。気になるものがあれば、ぜひご来店ください。


e0200305_921927.jpg


http://theplace1985.com



書き文字:「たんぽぽの家」の伊藤樹里さん
シンボルマーク、ロゴタイプデザイン:「マニアッカーズデザイン」の佐藤さん
web制作:「ヌードウェア」の上原さん
by suiran-books | 2015-08-01 09:03 | あさっての方向 | Comments(0)
長田弘さん
詩人の長田弘さんが亡くなられて明日でひと月が経つ。
訃報を耳にしたときの衝撃と喪失感はものすごかった。
ふだんまったく意識していなかったのに、自分の中で長田さんの存在がこんなに大きいものだったのかと気づかされた。

e0200305_1172294.jpg


今、長田さんの本を読み返している。
そして、驚いている。

言葉にはできないけれどなんとなく思っていたことや思ってもいなかったこと、こんなことができればいいなと望んでいること、知りたいこと、誰かに教えて欲しかったこと…長田さんはずっと自分の言葉で書いていた。
全部が、長田さんの本につまっていた。



3年前、長田さんに初めてお会いしたとき、suiranの古本を見てくださった。
じっくり棚を眺めてくださり、おもむろに引き抜いた一冊をめくりながら「これは貴重な本だからあなたが持っていたほうがいいですよ」と渡してくださった。

なかなか難しいけれど、やさしく、ていねいに、本と向き合い、本屋の活動を続けていこうと思う。
 
長田さん、ありがとうございました。
 
 
e0200305_117204.jpg

by suiran-books | 2015-06-02 11:30 | あさっての方向 | Comments(0)
レモン
その数滴の天のものなるレモンの汁は
ぱつとあなたの意識を正常にした
あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑ふ
わたしの手を握るあなたの力の健康さよ
あなたの咽喉に嵐はあるが
かういふ命の瀬戸ぎはに
智恵子はもとの智恵子となり
生涯の愛を一瞬にかたむけた
それからひと時
昔山嶺でしたやうな深呼吸を一つして
あなたの機関はそれなり止まつた
写真の前に挿した桜の花かげに
すずしく光つレモンを今日も置かう

『レモン哀歌』高村光太郎



テレビから聞こえてきたこの詩に、思わず作業の手を止めて聞き入った。
はかなく悲しいのにさわやかで、静かにするどく美しい。
ひんやりとした空気を感じさせる言葉選びのセンスにゾクゾクした。


- - -



大学に入学した翌年、梶井基次郎『檸檬』の舞台となった書店「丸善」が閉店した。鬱屈した「私」が、爆弾に見立てたレモンを丸善の書棚に置くことを夢想した短編小説。この春、そんな京都の丸善が復活するという話が。最寄駅までの地下鉄で読んだ『檸檬』を思い出した。


- - -



ビリー・ワイルダーといえば、喜劇だろうか。
そんな一面を共に築き上げた名優にジャック・レモンがいる。
アカデミー賞を5部門で受賞した『アパートの鍵貸します』は何回観たかわからない。主人公のバクスター扮するジャック・レモンの一挙手一投足からは目が離せず、毎回にやりとしてしまう。テニスラケットを使ってスパゲティの湯切りをするシーンはあまりにも有名だ。『お熱いのがお好き』、『あなただけ今晩は』にも出演し、ころころ変わる表情やコミカルな動きに心を動かされる。
最近になってハーバード大学を卒業していることを知った。化学を専攻していたようだ。実験用具に囲まれた白衣姿の彼を想像したら、なんだか意外で、余計に好きになってしまった。
by suiran-books | 2015-03-12 12:24 | あさっての方向 | Comments(0)
本を浴びる
e0200305_0105954.jpg

勤め先の新刊書店には毎日のように来店するお客さんがいる。”いつものおじさん”もその一人。おじさんはいつも決まった時間に来店し、通路を飛ばさずに規則正しく、端から端まで一定のスピードで歩いていく。さながら何かの競技のように、颯爽と、粛々と実行される。本を買う姿を見たことがない。

何をしているんだろう。緑の中を気持ちよく歩き回る森林浴のように、全身で本を浴びているのだろうか。そうだとすれば気持ちがよくわかる。本屋に行かない日が続くと体が本を欲するのだ。たとえ欲しい本がなくても、たとえ本を読まなくても、本屋へ行くことで落ち着き、満足できる。

今日も“いつものおじさん”はやってきた。
「あっちの壁に貼ってあるポスター、日付がもう古いよ」
ときどき鋭いご指摘をくださる。寒くなってからは来店頻度が少し減った。
by suiran-books | 2015-02-27 00:12 | あさっての方向 | Comments(0)
午後の匂い
e0200305_23355450.jpg

玄関のドアを開けたときにふっと香る午後特有の空気の匂いがある。あまいとかすっぱいとか、味覚で表現できるような特徴のある匂いではないから、発生源もわからない。でも、いい匂い。

残念ながら毎日は香らない。ただ、季節は関係ない。雨の日はダメ。「今日はあの匂いするかな」と意識することもなくて、いつもふいに香る。そして「あぁ、今日は午後の匂いがする」と胸いっぱいに空気を吸い込んで満喫する。でもほんの数分でそんなことも忘れてしまい、いつのまにか日常に戻っている。

その匂いを嗅ぐと決まって小学生の頃の放課後の記憶がよみがえる。中学生でも高校生でもない。時間でいえば、午後の2時、3時ぐらいだから、たしかに放課後の時間。放課後の校庭や、遊び回った山とか川の景色。なんだか懐かしく、体の奥のほうが少しキュンとなる。

匂いを解析すれば、その構成要素がわかるのだろうか。匂いのプロが成分を調合することで、あの匂いは作り出せるのだろうか。

新発売「午後の匂い」、定価700円。
そんな日が来たら、開発者と語らいたい。
by suiran-books | 2015-02-17 23:41 | あさっての方向 | Comments(2)
小さな理想の店
e0200305_2015087.jpg


今日着る服を考えることが好きじゃない。めんどくさいな、と思う。でも、服屋は嫌いじゃない。お気に入りの服だってある。そのお気に入りの服が5枚でもあれば満足だ。ただ、そう簡単にお気に入りには出会えない。今着ているお気に入りの多くは、10年前に京都で買ったもの。ずっと着れる。これもお気に入りの大切な条件。

少し前にめずらしい人から電話がかかってきた。画面に表示された名前にびっくり、電話に出てみると「まいどー」と懐かしい声がした。
京都で過ごした学生時代に時間があれば出かける店があった。もう10年前になる。とにかく小さな店で、先客がいるときは入店しなかった(構造上、しにくかった)。店のドアを開けると奥からひょっこり「まいどー」と顔が出てくる。行けば何時間でも話をしていた。服屋だから服のことをたくさん教えてくれたし、それ以外の話も思い出せないぐらいたくさんした。
「それやったらおじさんなっても着れんで」とすすめてくれた服は、たしかにおじさんになった今でもバリバリの現役で、お気に入りばかり。あのときに話した肩の切り返しの縫い目の話なんかもよく覚えている。10年経ったって古びないし、くたびれない。すれや色落ちはいい味になっている。着すぎて袖がモロモロになったオリジナルのパーカーはもう着れないけれど捨てられない。
大学を卒業する頃にようやく携帯電話を使い始めたオーナー(ギリギリ電話番号を交換できた)。「ブログみたいなの始めるからよろしくなー」という電話だった。

おもちゃ箱のような限られたスペースで、どの服を手にとっても「それはな…」と話してくれた。


- - -



入荷しました。

山頂山麓
貝がらと海の音(文庫)
犬の人生
池内紀の仕事場6 架空の旅行記
山は晴天
ヒマラヤ初登頂物語
ザイルのトップ
妖精物語 上下
POPEYE no.796 カレーと本
POPEYE no.800 POPEYE ATHLETIC CLUB
POPEYE no.804 シティボーイのABC '14
POPEYE no.805 東京 '14


- - -



『本屋会議』本屋図鑑編集部
『蚊がいる』穂村弘
 
by suiran-books | 2015-01-31 21:00 | あさっての方向 | Comments(0)