本屋業suiranのこと
よぉ餅くって、ぶったたけ!
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先日、本屋のお客さん(Hさん)の家におよばれした。
「とおかんや」という行事をやるらしい。

着く頃には行事に使う藁鉄砲がいくつも準備されていて、近所の子どもたちは早くも地面にそれをたたきつけていた。
とおかんやというのは、土地の神様へ五穀豊穣の感謝と祈願の意味をこめて、藁で編み上げた“藁鉄砲”で地面をたたいて歩く祭りのこと。

とおかんや とおかんや よぉ餅くって ぶったたけ!

そう唱いながら、タイミングよく地面をぶったたくと爽快な破裂音が響く。
この辺り、昔は各家で行われていたらしいが今ではこの家だけとなってしまった。
Hさんは子どもの頃の記憶をたどりながら文献でも確認し、数年前にこの行事を復活させた。奥さんが外国の方で、異文化と接する機会が多い中、自分が生まれ育った町の伝統を絶やしてはいけないと思ったそうだ。

ご自宅がとても素敵だった。
「こう設えた」のではなく「自然にこうなった」魅力。
築85年の元蚕屋で、横に長い家の中には洋の東西問わず、古いモノがびっしり並んでいた。電化製品が浮いている。なるほど、これは本読みが進む。
お手製のキッチンは、家族全員背の高いHさんちならではの高さ。

この日初めてしっかり餅をついた。

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- - - お知らせ - - -

『贈る本』販売会 at peace tree
12月3日より、高崎のpeace treeで『贈る本』の販売会を行います。
2011年も残りひと月。この一年お世話になった“誰か”に“贈りたい本”という切り口で選書します。もちろんその“誰か”には“自分自身”も含まれます。
限定数20冊。選りすぐりの本を並べます。
by suiran-books | 2011-11-15 08:53
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