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手放したくないけど紹介したい本 2冊目
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この一年、かなり絵本を買うようになりました。
穂村弘の『ぼくの宝物絵本』を読んでから一気にです。

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今日は絵本を紹介します。
バージニア・リー・バートンが文と絵を描く『せいめいのれきし』。訳、石井桃子。
バートンは『ちいさいおうち』がとても有名で、その表紙に見覚えのある方は多いはずです。これはバートン最後の作品です。

見開きの右ページが舞台となり、左ページにはナレーション。一冊まるごと“いきものの演ずる劇”という構成です。劇は太陽が生まれたところからはじまり、今、そして、これからに結ばれます。
ちなみに我が哺乳類誕生のナレーションはこんな感じ。
 
 小さなほにゅう類も、あらわれていましたが、
 まだ目だったことはしていませんでした。


この真正直な訳しっぷりがたまりません。訳ににやけっぱなし。

『ちいさいおうち』もそうですが、この絵本でもバートンは、近くに季節がある暮らしの魅力を、移りゆく四季の彩りとともに教えてくれています。都会で暮らすこと、緑豊かな土地で暮らすこと、どっちが良くてどっちが悪いではなく、「こんなですけど、さぁあなたはどっちを選びますか?」と聞かれているようです。

『せいめいのれきし』は今も書店で買えます。
ただ、装丁がインパクトある黒布地に金色太陽(?)ではありません。昔の装丁での入手難度はABCのAとしときます。なかなか見かけません。
by suiran-books | 2011-04-17 23:35 | 本のこと
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